湘北高校1年 Sakuragi Hanamichi
1号棟 201号室(同室者:中世古順)
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赤(#e60033)
この合宿こそがバスケ部本復帰の第一歩である。最短で3ヶ月、そう医者に言われて「だがオレは天才だから!」と宣ってきっちり2ヶ月でリハビリを終えた男は早速部活に顔を出したものの、しばらく激しい練習は行えないと基礎練に励む日々だった。怪我を経て多少は大人しくなったかと思いきや、出どころの不明な自信と気性の荒さは健在で、お決まりの口癖もそのまま。変わったことと言えば、少し伸びた髪の毛と条件付きの待てを覚えたことくらいか。バスケを始めて4ヶ月、急速に得たものは失うのも早かった。けれどもリハビリ王の名をほしいままにした男は為すべきことと我慢すべきことの二つを地道に守り、ようやくこの日を迎えたのだ。今桜木の頭を占めているのは早く以前のようにバスケがしたい、それだけである。今はただ皆と一緒にプレーできるのが、思いきりボールを追いかけられるのが嬉しい。件の中学生勧誘については当初「この天才がいるのに新たなルーキーなんぞ必要ねえ!」と騒いだものだが、そこは単純王と名高い桜木花道、おだて上手な先輩に言いくるめられてからというもの、なんだかんだで初めて出来る”コーハイ”という存在に期待を隠せぬようだ。